自己制御型ヒーターについて
■自己制御型ヒーターとは?
- ポリマーと導電性カーボンの特殊配合からなる抵抗体素子により、2本の導体全長にわたり無数の並列的電気回路が形成されます。素子が熱くなるとこのコアが微少に膨張し、これにより電気抵抗が増加し、ヒーターの出力が減ります。素子が冷えると、このコアが微少に縮小し、電気抵抗が減り、出力が上がります。ヒーターはその温度変化に対して反応を繰り返します。
■特 徴
- 自由な長さに切って加工できます。 ヒーター自身が温度変化により電気容量を増減します。重ね、密着巻きなどをしても異常過熱しません。 金属配管、プラスチック配管、雨樋、排水溝の凍結防止にもお使いいただけます。
ワークトレース 一覧
※設備容量は各型番の「突入電流×ヒーター全長」で計算してください。
※WA-B1・WA-H1に使用する電源コード及びT型コネクターは最大使用長の30mまで単体サイズ7A用で対応できます。
その他のワークトレースの最大使用長は電源コード及びT型コネクターとも導体サイズ15A用を使用した時の長さです。
※ワークトレースの電圧(AC)200Vは単相200Vです。
配管凍結防止システムの設計ガイド
ステップ1:必要条件の収集
- 予測される最低外気温
- 配管の種類、長さ、サイズ、保持温度
- 保温材の種類、厚さ
- 使用電圧(V)
以上の条件からヒーターを選定し、巻き比率を決め、ヒーター長を算出します。
ステップ2:付属部品の決定
- 電源コード及びT型コネクターには容量があります。ヒーター使用長により選定してください。
ステップ3:ブレーカーサイズの決定
- 自己制御型ヒーターは初動時、モーターの起動と同じように突入電流が流れます。
設備容量=突入電流×ヒーター長
負荷容量=出力(安定時)×ヒーター長
ステップ4:ヒーターの加工及び施工
- 必要長にヒーターを切断します。配管への取り付け前でも後でも行えます。
- 電源接続、T型接続、直線接続、端末処理を別紙の弊社加工工程表を参考に行います。
ステップ5:施工状態の確認
- 電源を投入する前に、ヒーターの損傷及び接続部、端末処理の不具合などを目視により確認します。
- 下記の検査及びメンテナンス手順に従い絶縁抵抗試験を行います。
絶縁抵抗試験
自己制御型ヒーターの安全性および信頼性を確保する上で大変重要な作業です。必ず実施してください。
試験手順
- ①絶縁抵抗試験器(以下メガー試験器)の電源をONしてください。
- ②メガー試験器の黒色コードを水道管か支持金具に取り付けます。
メガー試験器の赤色コードテスト針を電源プラグ端子部に片側ずつ接触させ、数値を確認してください。
【テストの結果】
メガー試験器の針が動かないか、20MΩ以上の場合は正常です。針が20MΩ以下の場合、ヒーター被覆に傷が有ります。
この場合は、損傷部分、接触部分を確認し、ヒーターの取替えまたは接続修理を行ってください。
※配管が塩ビ管、ポリブテン管の場合、このテストは行えません。
- ③メガー試験器の黒色コードを電源プラグより出ているアース線に接続します。
メガー試験器の赤色コード針を電源プラグ端子部に片側ずつ接触させ、数値を確認してください。
【テストの結果】
メガー試験器の針が動かないか、20MΩ以上の場合は正常です。
針が20MΩ以下の場合、アース編線が導線または内部の発熱抵抗体に接触しています。
この場合は損傷部分・接触部分を確認し、ヒーターの取替えまたは接続修理を行ってください。